1. /
  2. /
  3. デパート屋上の「現役」手回しガチャを探して

デパート屋上の「現役」手回しガチャを探して

雷門

戦利品報告:20年前の空気も一緒にカプセルイン

まずは、今回発掘した遺産です。
色褪せたディスプレイ台紙には「スーパーカー消しゴム」の文字。

震える手でハンドルを回して出てきたのは、カウンタック…ではなく、版権ギリギリ(アウト?)な謎の流線型スポーツカーでした。

しかも、ボールペンで弾くためのバネは付属していない、純粋な「消しゴム」のみというストロングスタイル。
さらに2回目では、半分乾いている蛍光色のスライムを引き当てました。

何が出るかわからないどころか「いつの商品が出てくるかわからない」タイムカプセル感こそ、レトロガチャ探索の醍醐味です。

最新の精巧なフィギュアも素晴らしいですが、このバリだらけのチープな成形色には、今の製品が失ってしまった大らかな時代の空気そのものが封入されている気がします。

デパート屋上の幻影を浅草に追う

かつて、休日のデパート屋上といえば、子供たちにとっての楽園でした。
色とりどりのアドバルーン、10円で動く新幹線、そしてずらりと並んだガチャガチャの筐体。

しかし令和の今、百貨店の屋上遊園地は絶滅危惧種となり、あの独特の哀愁漂う空間は姿を消しつつあります。
そんな失われた屋上の風景を求めて僕がたどり着いたのが、東京・浅草です。

もちろん、浅草にはガシャポンのデパートのような最新鋭の大型店舗もありますが、今回のターゲットはそこではありません。
花やしき通りから一本路地に入った、古い駄菓子屋の軒先や、時が止まったようなゲームセンターの片隅。

スマートボールや射的が今も現役で稼働するこの街なら、あの赤い筐体もひっそりと生き残っているはず。

観光客でごった返す仲見世通りを抜け、昭和の面影が色濃く残る西参道あたりを徘徊していると、マニアの直感がビビッと反応しました。

100円玉2枚の重みと「ゴリッ」という鈍い感触

発見したのは、バンダイ製の初期型「カプセルステーション」とおぼしき2段式の筐体。
最近のスタイリッシュな白い筐体とは違い、角ばったフォルムと日焼けして黄ばんだプラスチックが歴戦の風格を漂わせています。

何より重要なのが、コイン投入口の仕様です。
今の主流は100円玉を1枚ずつ入れるタイプや、500円玉対応機ですが、こいつは「100円玉を2枚重ねて」押し込むタイプ。

チャリチャリと投入するのではなく、2枚の硬貨を親指でグッと押し込む時の、あの指先に伝わる金属の抵抗感。
ハンドルを回した時の感触も、スムーズなカチカチではありません。

「ゴリッ…ガガッ…ボトッ」
内部のギアが悲鳴を上げているような、重たくて鈍い手応えと共に、カプセルが吐き出されます。

この機械を動かしているという原始的な実感。
スマホ画面をタップするガチャでは絶対に味わえない、物理的な重みこそが、僕たちコレクターの魂を震わせるのです。

浅草・花やしき周辺エリアへのアクセス

浅草へは、東京メトロ銀座線「浅草駅」、または都営浅草線「浅草駅」から徒歩5分ほど。
つくばエクスプレスを利用する場合は「浅草駅」が最も近く、花やしきエリアへはA1出口から徒歩3分程度で到着します。

レトロな雰囲気を味わうなら、まずは雷門をくぐらずに、西側のホッピー通りや花やしき通り方面へ向かうのがおすすめ。
この辺りは、昔ながらの遊園地「浅草花やしき」を中心に、昭和レトロなゲームセンターやブロマイド店が点在しています。

営業時間は店舗によってまちまちですが、古いお店は夕方17時〜18時頃には閉まってしまうことも多いので、探索は日中の明るい時間帯が勝負です。

逆に、夜の浅草はシャッターが閉まった静かな路地の雰囲気が最高にエモいので、撮影だけなら夜もアリですね。

100円玉は必須アイテムですが、古い機械はコイン詰まりを起こしやすいので、無理に押し込まず、お店の人に声をかけるマナーも忘れずに。